スクワットにおけるトレーニングベルトの効果

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squat_belt

スクワットのときにベルトを巻くべきかどうかというのは色々と議論の多いテーマです。実感として「ベルトを使用することで重い重量を扱えるようになった」と感じている人は多いと思いますが、果たしてそれを裏付ける研究はあるのでしょうか?

今回は、ベルトを使用することでスクワットでより大きい重量が扱える可能性を示す論文を紹介します。

論文タイトル

「スクワットにおけるウェイトベルトの使用が体幹と脚の筋肉の活動および関節の動力学に及ぼす効果」

The effects of a weight belt on trunk and leg muscle activity and joint kinematics during the squat exercise.

J Strength Cond Res. 2001 May;15(2):235-40.

実験内容

14人の健康な若い男性に、90%1RMでパラレルスクワットを行わせた。トレーニングベルトを使用する場合と使用しない場合で、動作速度、筋肉の活動、関節の角度等を測定した。

結果

動作速度

  • ベルトを使用したグループでは、動作にかかる時間が全体で7.7%短くなった。(しゃがむとき6.6%、立ち上がるとき9.1%)
  • ベルトを使用したグループでは、平均挙上速度が15.5%向上した。

筋肉の活動

  • 筋力発揮にグループ間で差はなかった。(外側広筋、大腿二頭筋、大内転筋、大臀筋、脊柱起立筋)

動力学

  • ベルトを使用したグループでは、セットの後半にかけて上半身の前傾が約5度大きくなった。
  • バーの前後・垂直方向の移動距離はともにベルトを使用したグループの方が有意に大きかった。(前後方向に26.0%、垂直方向に5.4%)
  • 関節可動域はベルトを使用したグループの方が大きくなる傾向があった。(統計的に有意ではない)

まとめ

スクワットにおけるトレーニングベルトの使用は動作速度を向上させるが、発揮する筋力には影響を与えない。また、ベルトを使用するとボトムポジションでの前傾がやや大きくなる。

考察(管理人の私見)

「トレーニングベルトを使用すると挙上速度が向上する」という結果が得られています。同様の結果は他の研究[1]でも得られており、ベルトの使用が挙上速度を向上させることは間違いなさそうです。

1RMの重量と挙上速度の間には深い関係があるので、ベルトを使用するとより大きな重量を扱えるようになると考えられます。

多レップのスクワットにおけるトレーニングベルトの効果という記事で紹介した研究では、特にセットの後半で挙上速度の差は大きくなりました。ベルトを使用したグループではセット後半の余力が大きかったということであり、ベルトの使用によりレップ数も向上する可能性があります。

また、今回の研究では各関節の角度と、バーの移動距離についても測定が行われました。「ベルトを使用したグループでは上体の前傾がやや大きくなり、バーの前後の移動距離も大きくなった」という結果が得られています。

これはつまり、ベルトを使用することにより骨盤の前傾が大きくなり、下図Bのようにローバースクワット的な動作に近づいたということでしょう。

highbar_lowbar

図1:ハイバースクワット(左)およびローバースクワット(右)

前傾が深くなるほど脊柱起立筋への負担が大きくなりますが、脚+背中の力を使ってバーを持ちあげることが出来るので発揮できる力は大きくなります。

ベルトを巻くことで脊柱起立筋への負担が軽減されるため、ベルトを巻かないときよりも前傾を深くできるようになり、結果的に大きな力を発揮できたのだと考えられます。

 

まとめると、スクワットでベルトを使用すると扱える重量が大きくなるとともに、脊柱起立筋への負担を軽減できる可能性があります。特別な理由がない限りは、高重量のスクワットではベルトを使用した方が良いでしょう。

 

[1] The effectiveness of weight-belts during multiple repetitions of the squat exercise. Med Sci Sports Exerc. 1992 May;24(5):603-9.

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