パラレルスクワット vs フルスクワット vs フロントスクワット

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squat_variation

スクワットには様々なバリエーションがあり、しゃがむ深さやスタンスの幅により呼び方が異なります。また、バーベルを身体の前に担ぐフロントスクワットというやり方もあります。

バリエーションによる効果の違いについては多くの研究が行われていますが、今回はパラレルスクワット、フルスクワット、フロントスクワットの3種類を行わせ、それぞれの筋活動の違いを筋電図で比較した研究を紹介しましょう。

論文タイトル

「レジスタンストレーニングの経験のある女性において、パラレルスクワット、フルスクワット、フロントスクワットを行った際の大臀筋、大腿二頭筋、外側広筋の筋電図の比較」

A Comparison of Gluteus Maximus, Biceps Femoris, and Vastus Lateralis Electromyography Amplitude in the Parallel, Full, and Front Squat Variations in Resistance-Trained Females.

J Appl Biomech. 2016 Feb;32(1):16-22. doi: 10.1123/jab.2015-0113. Epub 2015 Aug 6.

実験内容

13人の健康な女性にパラレルスクワット、フルスクワット、フロントスクワットの3種類の動作を10RMの負荷で行わせ、大殿筋・大腿二頭筋、外側広筋の活動を筋電図で測定した。

それぞれの動作で使用した重量は以下の通りであった。

  • パラレルスクワット:53.1±17.0 kg
  • フルスクワット:46.7 ±17.1 kg
  • フロントスクワット:39.2±15.6 kg

結果

  • 平均の筋活動レベルに3つの動作で違いは見られなかった。
  • 外側広筋の活動レベルのピークにのみ違いが見られ、フロントスクワットが一番大きく、次いでフルスクワット、パラレルスクワットの順であった。

まとめ

パラレルスクワット、フルスクワット、フロントスクワットを10RMで行った場合、大臀筋・大腿二頭筋、外側広筋の活動に明確な違いはない。

考察(管理人の私見)

この研究では、「パラレルスクワット、フルスクワット、フロントスクワットを10RMで行った場合、大臀筋・大腿二頭筋、外側広筋の活動に明確な違いはない」という結果が得られています。

以前、ハーフスクワットvsパラレルスクワットvsフルスクワットクワット しゃがむ深さが筋活動に与える影響という記事で扱った論文[1]では、「スクワットは深くしゃがむほど、立ち上がる際の大臀筋の活動が大きくなる」という結果が得られていましたが、この結果はそれと矛盾する形となりました。

以前紹介した研究では体重の100~125%というかなり軽い重量が使われていたのに対し、今回の研究では10RMというそこそこ重い重量が使われていることが原因の一つかも知れません。

また、フロントスクワットとバックスクワットでは動作の質がかなり大きく異なるにも関わらず、筋活動に差が見られなかったというのは非常に興味深い結果です。

この研究ではスクワットがハイバーとローバーどちらで行われたのか記述がありませんが、ハイバーで行われたのならフロントスクワットに割と近いフォームになるのでこういった結果になるのかも知れません。

ローバースクワットの場合、股関節にかかるモーメントが大きくなるので、さすがに大澱筋やハムストリングスの活動には違いが出るはずです。これについてはハイバースクワットvsローバースクワットの記事で詳しく解説しています。

 

 

さて、今回の結果から、バックスクワットとフロントスクワットは大臀筋・大腿二頭筋、外側広筋の活動については同じような効果を持つ種目だということが分かります。

しかし、この2つの種目には明確に異なる部分もあります。それは脊柱起立筋への負荷のかかり方です。バックスクワットでは頭の後ろ側にバーを担ぐため必然的に身体は前傾し、脊柱起立筋には大きな負荷がかかります。

一方、フロントスクワットは身体の前側で担ぐため、必然的に上体が起き上がり、脊柱起立筋への負荷は小さくなります。

したがって、バックスクワットは

  1. 脊柱起立筋へも刺激を与えられる
  2. 脊柱起立筋の力を使ってより重い重量が挙げられる

という利点がある一方で、

  1. 大腿四頭筋にアイソレートしづらい
  2. 脊柱起立筋が先に疲弊して大腿四頭筋を追い込めない可能性がある

といった欠点もあります。

したがって、高重量を扱いたい場合や脊柱起立筋も鍛えたい場合はバックスクワット大腿四頭筋をアイソレートして鍛えたい場合や脊柱起立筋の疲労が溜まっている場合はフロントスクワット、というように2つの種目を使い分けるのが良いと思います。

 

 

[1] The effect of back squat depth on the EMG activity of 4 superficial hip and thigh muscles.

J Strength Cond Res. 2002 Aug;16(3):428-32.

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