ハーフスクワット vs パラレルスクワット vs フルスクワット スクワットのしゃがむ深さが筋活動に与える影響

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squat_depth

スクワットはしゃがむ深さによって、ハーフスクワット、パラレルスクワット、フルスクワットなどと区別されますが、それぞれの深さで筋肉の活動はどのように異なるのでしょうか。

今回はスクワットでしゃがむ深さと筋肉の活動の関係について調べた研究を紹介します。

論文タイトル

「バックスクワットの深さが臀部及び大腿部の4つの表層筋の活動に及ぼす影響」

The effect of back squat depth on the EMG activity of 4 superficial hip and thigh muscles.

J Strength Cond Res. 2002 Aug;16(3):428-32.

実験内容

10人のトレーニング経験者に、体重の100~125%の負荷を用いてハーフ、パラレル、フルの3種類の深さでバックスクワットを行わせた。

その際、筋電図で内側広筋、外側広筋、大腿二頭筋、大臀筋の4つの筋肉の筋活動を測定した。

結果

立ち上がる動作

  • 大臀筋の活動レベルは、しゃがむ深さに比例した。フルスクワットではハーフスクワットの2倍以上大臀筋が活動していた。
  • 内側広筋、外側広筋、大腿二頭筋はしゃがむ深さによる筋活動の違いは見られなかった。

しゃがむ動作

  • 4つの筋肉間で、しゃがむ深さの違いによる筋活動の差は見られなかった。

まとめ

スクワットは深くしゃがむほど、立ち上がる際の大臀筋の活動が大きくなる。

考察(管理人の私見)

今回の実験では体重の100~125%というかなり軽めの重量が用いられていることに注意が必要ですが、「スクワットは深くしゃがむほど、立ち上がる際の大臀筋の活動が大きくなる」というおおむね納得のいく結果となりました。

深くしゃがむと「ボトムポジションでの大臀筋のストレッチが大きくなること」、さらには「上体が前傾して股関節の屈曲が大きくなるため、股関節の伸展筋である大臀筋が屈曲への抵抗力を発揮すること」が原因だと考えられます。

この結果だけ見ると、大臀筋を特に鍛える必要がない場合はハーフスクワットを行っても問題なさそうに思えます。しかし、実際には大腿四頭筋の筋肥大を目的とする場合もフルスクワットの方がおすすめです。

その理由は大きく分けて2つあります。

1つ目の理由は、トレーニングは可動域が大きい方が筋肥大の効果が高いからです。異なる可動域での筋肥大効果の違いについて調べた研究はいくつかありますが[1, 2, 3]、その中で最も参考になりそうなものを紹介しましょう。

深さの違うスクワットを比較した研究[3]で、被験者をクォータースクワットを行うグループと、パラレルスクワットを行うグループに分け週3回のトレーニングを12週間行わせました。この研究では大腿四頭筋を中心とした太ももの前側の筋肉量の変化が調べられました。また、股関節からヒザまでの複数の位置で筋肉量が測定されています。

12週間後の結果を見てみると、クォータースクワットを行ったグループは、股関節に近い位置で太ももの前側が太くなっていたものの、それ以外の部位では筋肉量に変化は見られませんでした。

一方パラレルスクワットを行ったグループは股関節から膝に近い位置まで満遍なく筋肉が太くなっていました。

したがって、大腿四頭筋の筋肥大を目的とする場合も、出来るだけ可動域を広くとるためにフルスクワットを行うべきなのです、

2つ目の理由は、膝関節の怪我を防ぐためです。

ハーフスクワットで限界を超えた高重量を扱ってしまうと、骨盤の前傾が上手くできなくなり、ハムストリングスが収縮力を発揮できず、膝に大きな負担がかかってしまう可能性があります。

図2:ローバースクワット(上)およびハイバースクワット(下)における膝関節に働く力 出典「Starting Strength」 Mark Rippetoe著 2013 The Aasgaard Company発行

図1:フルスクワット(左)およびハーフスクワット(右)における膝関節に働く力 出典「Starting Strength」 Mark Rippetoe著 2013 The Aasgaard Company発行

したがって、安全面からもフルスクワットを行うことが推奨されます。

結論としては、フルスクワットはハーフスクワットに比べて大腿四頭筋の筋量増加を安全かつ効率的に行うことができ、なおかつ大澱筋への刺激も大きい種目だということです。

ハーフスクワットの可動域における筋力を向上させたい、というような特別な目的(ジャンプ力を向上させたい等)がない限りは、基本的にはスクワットはフルスクワットで行うのが良いでしょう。

参考文献

[1] Effect of range of motion on muscle strength and thickness. J Strength Cond Res. 2012 Aug;26(8):2140-5. doi: 10.1519/JSC.0b013e31823a3b15.

[2] Impact of range of motion during ecologically valid resistance training protocols on muscle size, subcutaneous fat, and strength. J Strength Cond Res. 2014 Jan;28(1):245-55. doi: 10.1519/JSC.0b013e318297143a.

[3] Effect of range of motion in heavy load squatting on muscle and tendon adaptations. Eur J Appl Physiol. 2013 Aug;113(8):2133-42. doi: 10.1007/s00421-013-2642-7. Epub 2013 Apr 20.

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