ヒップスラスト vs スクワット  筋活動の比較

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hipthrust

皆さんヒップスラストという種目を知っているでしょうか。「ヒップ=お尻」、「スラスト=突き出す」という意味で、お尻やハムストリングスを鍛えるのに非常に効果的な種目です。

※ヒップスラストの参考動画

一方で、スクワットはキングオブエクササイズとも呼ばれる下半身を鍛える王道の種目です。大腿四頭筋をはじめ、大臀筋やハムストリングスも鍛えられます。

どちらも下半身を鍛えることの出来る素晴らしい種目ですが、この2つの種目において筋肉の活動にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回はスクワットとヒップスラストにおける筋活動の違いを筋電図で比較した研究を紹介します。

論文タイトル

「バックスクワットとヒップスラストにおける大臀筋、大腿二頭筋、外側広筋の筋電図を用いた筋活動の比較」

A Comparison of Gluteus Maximus, Biceps Femoris, and Vastus Lateralis Electromyographic Activity in the Back Squat and Barbell Hip Thrust Exercises.

J Appl Biomech. 2015 Dec;31(6):452-8. doi: 10.1123/jab.2014-0301. Epub 2015 Jul 24.

実験内容

13人のトレーニング経験のある女性に10RMの負荷でスクワットとヒップスラストを行わせ、大殿筋・大腿二頭筋・外側広筋の3つの筋肉の活動を筋電図で測定した。

結果

  • 大臀筋の活動は、ヒップスラストの方が約2倍大きかった。特に大臀筋上部の活動が大きかった。
  • 大腿二頭筋の活動は、ヒップスラストの方が2倍以上大きかった。
  • 外側広筋の活動は、ヒップスラストとスクワットで大きな違いはなかった。

まとめ

ヒップスラストは、スクワットに比べて大腿二頭筋と大臀筋への刺激が非常に大きい。

考察(管理人の私見)

この研究では、「ヒップスラストは、スクワットに比べて大腿二頭筋(ハムストリングス)と大臀筋への刺激が非常に大きい」という結果が得られました。その理由について考えてみましょう。

そもそも大臀筋は、股関節を伸展させる働きを持ちます。スクワットの動作には、股関節を完全に伸展させるような動きは含まれていません。そのため、大臀筋を最大限に収縮させることができません。

しかし、ヒップスラストでは腰を突き出して股関節を完全に伸展させるため、大臀筋を最大限に収縮させることができます。この違いによりヒップスラストの方が大臀筋の活動が大きくなったと考えられます。

また、スクワットのように骨盤の前傾を保つ必要がある状態では、大臀筋は十分に動員されません。このことは背中を反らせた(骨盤を前傾させた)ときと、背中を丸めた(骨盤を後傾させた)ときでお尻に力を入れて比べてみれば実感できるはずです。背中を反らせた状態ではお尻にギュッと力を入れられませんよね。ヒップスラストでは骨盤を前傾させる必要がないので、大電筋がより大きな力を発揮できるのでしょう。

大腿二頭筋(ハムストリングス)は、膝関節の屈曲と股関節の伸展に働きます。ヒップスラストでは股関節の伸展動作が主に行われているので、大臀筋とともに大腿二頭筋の働きも大きくなったと考えられます。

また、力学的に考えるとヒップスラストでは足の位置を身体から遠くに置くほど膝を屈曲させる方向にバーベルの負荷が加わり、大腿二頭筋の働きは大きくなると考えられます。

一方、スクワットでは大腿二頭筋は主に大腿四頭筋の拮抗筋としての働きをしており、膝関節を屈曲させる方向にはバーベルの負荷は加わりません。そのため、2つの種目を比べると大腿二頭筋の活動レベルはヒップスラストの方が2倍以上大きくなったものと考えられます。

もちろんスクワットも下半身を鍛える非常に良いエクササイズですが、それだけでは大臀筋や大腿二頭筋を鍛えるには不十分であり、ヒップスラストやデッドリフトと組み合わせる必要があると言えるでしょう。

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