トレーニングの強度は筋肉の適応にどのような影響を与えるか

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ボリュームが筋肥大の重要ファクターであることは別の記事で述べましたが、トレーニングの強度は筋肥大や筋力の伸びにどのような影響を与えるのでしょうか。

ボディービル型の10RMのトレーニングとパワーリフティング型の3RMのトレーニングにおいて、筋肥大と筋力の伸びを比べた研究があるので紹介します。

論文タイトル

「ボリュームを揃えたレジスタンストレーニングプログラムがトレーニング経験のある男性の筋肉の適応に及ぼす効果」

Effects of Different Volume-Equated Resistance Training Loading Strategies on Muscular Adaptations in Well-Trained Men. The Journal of Strength and Conditioning Research 28(10) · April 2014

実験内容

目的

トレーニング経験者において、ボディービル型のトレーニングとパワーリフティング型のトレーニングをボリュームを揃えて行った際の筋肉の適応について調べる。

被験者

20人のトレーニング経験者の男子大学生。

トレーニング

被験者を、ボリューム*は等しいが強度の異なるトレーニングを行う2つのグループに分け、週3回のトレーニングを8週間行わせた。

  • HT群(ボディービル型):10RMを3 セット、インターバル1分半
  • ST群(パワーリフティング型):3RMを7セット、インターバル3分

*ボリュームとは、トレーニングで行った仕事量(重さ×距離)に相当する概念で、「重さ×挙上回数」のこと。

測定

  • 上腕二頭筋の筋厚
  • スクワット、ベンチプレスの1RM

結果

  • 両グループともに上腕二頭筋の筋厚が増加した。グループ間で筋厚の伸びに違いはなかった。
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図1:上腕二頭筋の厚さの比較

 

  • スクワットとベンチプレスの1RMを測定した結果、両グループ共に筋力の向上が見られた。3RMのグループの方が10RMのグループよりも筋力の伸びは大きかった。
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図2:スクワットの1RMの伸びの比較

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図3:ベンチプレスの1RMの伸びの比較

 

  • 3RMのグループは10RMグループよりトレーニングに4倍の時間を要し、関節の痛みなどの不調を訴えた人が多くなった。

まとめ

ボリュームを揃えた場合、3RMと10RMで筋量の伸びに差はないが、筋力の伸びは3RMの方が大きい。

考察(管理人の私見)

「ボリュームを揃えた場合、3RMと10RMで筋量の伸びに差はないが、筋力の伸びは3RMの方が大きい」という結果になっています。

一般的に6~12RM以外は筋肥大の効果が薄いと思われがちですが、実際には3RMなどのかなり高強度のトレーニングでも同程度の筋肥大が起こるようです。これは1~3RM程度の高強度トレーニングを行うパワーリフターがしっかり筋肥大していることからも納得できます。

別の研究[1]では30%1RMというかなり低強度のトレーニングでも80%1RMの場合と同程度の筋肥大が起こったことが確かめられています。ただし、そこまで低強度になってしまうと筋肥大させるためにはより多くのボリュームが必要となるようです。

これらの事実を踏まえると、やはり筋肥大においては強度よりもボリュームが重要なファクターだと言えるのではないでしょうか。そして時間効率やボリュームの稼ぎやすさを考慮すると、筋肥大を目的とするならやはり10RM程度のトレーニングが最も効率的だと言えるでしょう。

また、筋力の向上は3RMの方が大きいことから、ラグビーやアメフトなどのパワー系競技の選手は基本的に高強度メインでトレーニングした方がパフォーマンス向上に良い影響を与えると考えられます。ただし、今回の実験では3RMのグループでは10RMのグループに比べトレーニングに4倍の時間がかかっており、練習時間との兼ね合いも考えて選択する必要がありそうです。

 

参考文献

[1]Resistance exercise load does not determine training-mediated hypertrophic gains in young men. J Appl Physiol (1985). 2012 Jul 1; 113(1): 71–77.

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